当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。 介護お役立ち情報

暴力しない・させない介護のために。「落ち着かせる」以外の選択肢

暴力行為をすることがある認知症の方を介護されている方向けに、個人ブロガーとして私なりの意見を書きます。

今回の記事では病気について多く記述しますが、私は医者ではありません。ケアマネ個人ブロガーの一意見として読んでいただけたら嬉しいです。ただ、今回の記事は、東京女子医科大学名誉教授の岩田誠先生の本から多く引用して作成しています。

「暴力行為をする方には、服薬調整をしている」という話しを聞くことがあります。医師に話して薬を処方してもらい「落ち着かせる」のです。

介護は綺麗事ではないので、服薬調整を否定しません。ただ、それ以外の選択肢を探る立場から、今回の記事を書こうと思います。

臨床医が語る 認知症とともに生きるということ(岩田) 89頁

私の知っているある人が認知症のお父さんをやむなく郷里の施設にいれたら、抵抗が激しくて、とよく相談されていたのですが、入所して2ヶ月ほどで亡くなりました。何で亡くなったかわからないというのですが、たぶん、施設では薬で動けないようにしていたのでしょう。

本人にとっても、家族にとっても、職員にとっても後悔をしないケアの方法を今回の記事で探りたいと思います。

まず、離れる。

本人も介護者も守るために、まず離れることです。

怪我をすることを防ぐため。また、感情的になって、暴力に暴力で対抗し、悲しい結末になることを防ぐためです。

母さんごめん。50代独身男の介護奮闘記(松浦)205頁

私を迎えたのは、またも台所に散らかった冷凍食品と、母の「お腹が減って、お腹が減って」という訴えだった。気がつくと私は、母の頬を平手打ちしていた。母はひるまなかった。

「お母さんを殴るなんて、あんたなんてことをするの」と両手の拳を握り、打ちかかってきた。弱った母の拳など痛くもなんともない。

が、一度吹き出した暴力への衝動を、私は止めることができなかった。拳をかいくぐり、また母の頬を打つ。

この場合、手を出したのは家族のほうからです。どちらかが手を出してしまった場合、冷静になることは難しいでしょう。

恐ろしいのは、認知症の場合、殴られたことを記憶できない場合があることです。

殴られても、殴られても、記憶できない。介護者の側から見たら、殴っても殴っても記憶されない。

暴力が常習化し、虐待につながってしまう。

 

なので離れることです。このケースの場合、その後すぐにショートステイにつなげました。物理的に距離を置くことで、冷静さを取り戻しました。

本人も家族も守るために。

行動の目的を理解し、暴力の前段階で防ぐ。

臨床医が語る 認知症とともに生きるということ(岩田) 110頁

人間は、怒るときは必ず何かの理由があります。そういうことは認知症があっても同じで、理由がなくて怒ることはありません。

「徘徊」という言葉をご存知だと思います。

認知症の方が外出し、外をうろちょろする。場合によっては戻れなくなって行方不明になってしまい、家族が探すことになる。

このように認知症の方が外をうろちょろすることを「徘徊」と呼ぶことが多いです。

この徘徊という言葉はしかしながら、適切とは言えません。

「徘徊」という言葉は、「目的を持たずに」外出する場合に使われる言葉です。

そして認知症の方は、彼ら彼女らなりの目的をもって外出をしています。

例えば、夕方になって「家」に帰ろうとする。そして本当の家から出てしまう。

家族の側から見たら、本人が目的もなく外をうろちょろする「徘徊」のように見えますが、本人は本人なりの目的を持って「外出」をしています。

認知症の方の行動には、目的があるのです。

周囲が本人の目的を理解せず、止めようとすると、本人が暴力をしてしまう場合がある。

逆から言えば本人の生活習慣や、行動の目的を理解することで、対策を立てやすくなります。

認知症になっても生活習慣は残る場合があります。

夕方にどうしても「家」に帰ろうとするのであれば、もし付き合えるのであれば、ある程度外出に付き添って、その後、本当の「家」に戻る。

このように生活習慣を理解し、止めようとするのではなくケアすることで、暴力行為を防ぐことにつながります。

脳を「遊ばせない」

臨床医が語る 認知症とともに生きるということ(岩田) 104頁

いつも社会的な場をつくってあげて、楽しく参加できるように援助してあげる、それが最も大事なことで、そうしないと、脳が遊んでしまうのです。脳を遊ばせると、妄想・幻覚が吹き荒れます。

具体的には、デイサービスの利用などでしょうか。

もしも地域に認知症カフェなど、認知症当事者の方も参加できる催しがあれば、それも一つだと思います。ただその場合、送り迎えはご家族がやる必要がありますが。

デイサービスの場合、送迎を施設がしてくれます。

いずれにしても、楽しく参加できると良いと思います。

失語症が「抵抗」に見えることがある。

臨床医が語る 認知症とともに生きるということ(岩田) 34頁

失語症を発症されている方は、しばしば家庭でも施設でも気の毒な目にあいます。「何々をして」と指示されても、言葉がわからないので、内容が理解できず、なんとなくわかったことで行動しようとするので、それが介護の人が指示したことと違うと、「介護に対する抵抗」とか「介護拒否」と呼ばれてしまい、鎮静剤を使われてしまうことがあります。

個人差はありますが、脳の病気である失語症の場合、「話す、聞く、読む、書く」のすべての機能が損なわれます。

周囲とコミュニケーションを取ることが難しく、介護拒否と受け止められやすいです。周囲の方が失語症に関する知識を持っていない場合は、なおさらです。

足の骨折など、目に見える病気の場合は周囲の方も理解しやすいですが、脳の病気の場合は理解されづらい。知識を持つことで、本人も家族も救われることもあると思います。

まとめ:介護者の安心が、本人の安心につながる。

「暴力にさらされるかもしれない」と恐怖を感じていると、認知症当事者である本人にも伝わります。

お互いに緊張してしまい、本人にも介護者にとっても良くありません。

私の今回の記事が暴力に対する対策に少しでもつながって、介護者であるあなたの安心につながれば嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました。

こちらの記事もぜひ!(介護する人される人におすすめの記事)

-介護お役立ち情報

目次