高齢者は、脳と皮膚の表面で気温変化を感じる感覚が鈍くなっています。発汗による体温調節や、皮膚表面における放熱の働きも弱っており、熱中症を発症しやすくなります。
暑い夏。熱中症により高齢者が救急車に運ばれることも多くなっています。
自分の親を熱中症から守るにはどうすればよいのか。
高齢者のケアをされている方目線で今回の記事を書きます。
熱中症は、「大量に汗をかくことで体の水分やナトリウムのバランスが崩れたり、体温の調節ができなくなることで起きる、様々な症状の総称」(*熱1)です。
なので対策としては、
① 汗の成分である水分と塩分を補完する。
② 体を冷やす。
の2点が基本となります。
水分と塩分をとる。
熱中症予防に有効な飲み物
汗の主成分は水分と塩分ですが、そのどちらも血液から補給されています。大量の発汗によって水分と塩分が激減すると、血液が濃縮して流れなくなり、体温を一定に保とうとする機能もマヒしてしまいます。
汗の主成分は水分と塩分です。
暑くなり、大量に汗をかくと、水分だけでなく塩分も失うことになります。
なので体内のバランスを整えるには、水分だけでなく、塩分も摂取する必要があります。
⭕ | スポーツ飲料 |
⭕ | 水や麦茶・そば茶などカフェインを含まないお茶 |
🔺 | 緑茶・紅茶などカフェインが含まれるお茶 |
🔺 | ジュース・炭酸飲料 |
❌ | アルコール類 |
❌ | コーヒーなどカフェインの多い飲料 |
同じ水分でも、熱中症の予防に効果的なものとそうではないものがあります。
スポーツ飲料は、水分だけでなく適度な塩分等も摂取できるので予防に効果的です。
もしも水だけを飲むときは、塩分補給として塩飴などをなめることも良いとされています。
甘いジュースなどは、少量でも満足しがちです。水分摂取量が不足してしまうおそれがあります。
アルコールやカフェインが含まれるコーヒーには利尿作用があります。
飲めば飲むほど水分を排泄してしまうので、水分が不足してしまいがちになります。おすすめはできません。
高齢の親が水を飲みたがらない場合はどうすればいいの?
高齢者の中にはトイレや尿失禁を嫌がって、水分を取りたがらない方もいらっしゃいます。
その場合は、スープやハーブティーなど、本人の好みにあわせて水分を準備するのも一つです。
また、水分でなく果物をおすすめするのも一つです。
スイカやメロンなど、夏の果物には水分が多量に含まれています。
「水分をとる」ことに抵抗はあっても、「果物を食べる」ことに抵抗はないご高齢の方もいらっしゃいます。
朝食をしっかり食べる。
あまり知られていませんが、朝食をしっかりと食べることも熱中症の予防になります。
人は寝ている間、大量に汗をかきます。
多くの水分を失った状態で人は朝を迎えます。
なので起床後に水分を取らず、朝食も取らないで活動をすると、水分が不足して熱中症になる恐れがでます。
屋内の温度を下げる。
熱中症の3割は屋内で発生
熱中症の30%は住宅内で発症しているのが実情です。
たとえ屋内にいても、屋内が高温状態になっていたら熱中症にかかりやすくなります。
電気代がかかってしまうかもしれませんが、命にはかえられません。エアコンを使うことをおすすめします。
高齢の方は若い方に比べて気温の上昇を感じにくいです。
温度計などを部屋に設置して、数値を目に見える形にすると熱中症の予防になります。
スマートリモコンを活用する。【お役立ちグッズ】
もしも親が離れて暮らしていたり、日中一人でいる時間が長い場合は、スマートリモコンを使うこともおすすめします。
スマートリモコンが室温と連動して、自動的にエアコンをオンオフしてくれます。
室内の温度を一定に保ってくれるので、こまめにエアコンをつけたり消したりしなくてすむようになります。
親の部屋の温度を気にしなくてすむようになります。
ネットで買うこともできますが、家のエアコンに対応しているかどうかが気になります。
お近くの大きめの電気屋さんに行けば、説明してくださる店員さんがいると思います。また、スマート家電の分野は日々技術が進歩しているので、最新機種についても説明してくださるかもしれません。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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