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「自宅で、一人で、最期まで」の実際と、実現するための味方たち

【運営者】吉永龍幸

ケアマネジャー(介護支援専門員)です。 地域包括支援センターという、高齢者福祉の相談所でも働いていました。 今まで数多くの高齢者やその家族とお会いした経験をもとに、このブログを運営しています。 このブログは、私一人で運営している個人ブログです。自由で自立していることが、個人ブログの良い点です。 お問い合わせは tenkakasei☆gmail.com(☆を@に変更してください)にメールをお願いします。 個別の介護や生活の相談などには応じられないのでご了承ください。

ケアマネブロガーの吉永です。

単身高齢者世帯が増えています。多くのお一人様にとって、自分のこれからは気になるところだと思います。

「自宅で、一人で、最期まで」を実現できるのかどうか?と聞かれたら、実現できますと答えます。そういう人も多くいます。

今回の記事では、お一人様が自宅で最期を迎えるための情報などを掲載します。

今回の記事は、学者の上野千鶴子氏と在宅医の小笠原文雄氏の共著「小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?」を参考にして制作しました。

在宅の一番のメリットは、自由であること

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)36頁

あまり大きな声では言えませんが、末期がんの人でも、酒を飲むことで余命告知以上に長生きされる人は少なくありません。

自宅での生活と病院や施設での生活の大きな違いは自由であるか、管理されるかです。

病院や施設は共同生活です。「あれしちゃだめ」「これしちゃだめ」と管理されます。ただ、管理され保護される分、安全です。

一方自宅での生活は、病院や施設に比べて安全ではありません。転倒したり病気になっても、自分でなんとかしなければなりません。

でもその分、自由です。好きなものを食べようがお酒を飲もうが、だれにもなにも言われません。

安全か自由。どちらをとるか。私はどちらの立場にも与しませんが、今回の記事では、自宅での最期を全うしようと考えられている方や、一人暮らしの老親と離れて暮らす子どもの方向けに記事を書きます。

最期の時期はどのようなものか?

お一人様の最期の特徴

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)127頁

「ひとり暮らしの人は気を張って生きてこられた分、体調を壊すとピンピンコロリが多い。寝込まれてからだいたい3日から1週間の方が多く、ヒロズミさんもいつ亡くなられるかわからない」と告げました。

経験豊富な在宅医の小笠原先生によると、一人暮らしの方はピンピンコロリの方が多いようです。確かに私が以前関わった「お一人様」にも、そういう方がいらっしゃいました。

お一人様のメリットは先にも書きましたが「自由」であることです。どういう風に最期を迎えるかも自由です。

同居している家族がいたり、別居している子どもがいる場合はそうとは限りません。本人が延命を望まなくても、家族が延命を望んだ場合、病院の集中治療室に運ばれてスパゲッティ症候群になる可能性も出てきます。

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)205頁

一人暮らしでがん死の人は、急変のプロセスをたどることが多いため、家政婦の助けを必要としないことが多いのだと思います。だから亡くなる少し前から家政婦を頼んでも自費負担分は30万円程度で収まることが多いのです。

枯れゆく過程:歩けなくなることから始まる

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)103頁

死にゆく過程については、次のようなプロセスをたどることがわかってきました。まず足腰が弱り、歩くことが困難になり、しだいに立てなくなってそれから寝たきりになり、やがて食べ物がのどを通らなくなって、水も飲めなくなって脱水症状になり、枯れ木のようになる。

私が知っている方の中には、車椅子でお一人暮らしをされているご高齢の方もいらっしゃいました。歩けなくなったら自宅での生活は無理と思われがちですが、本人が望む限り、在宅での生活を続けることができます。

先輩のケアマネによると、身寄りがない寝たきりの方でも、最期までご自宅の方もいらしたそうです。

家族がいたら「施設に入れてください」と言われるような状況でも、お一人様なら、御本人が望む限り、最期までご自宅は可能です。

神の恵み?死の間際の脳内麻薬

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)175頁

臨終の極みの人の血液検査をすると、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)やエンケファリンという物質などが増えていると言われています。エンケファリンは、脳内麻薬として知られるエンドルフィンと同じ効果を持つもので、いわゆる多幸物質とも呼ばれるものです。 (中略)天地創造の神が、人が死ぬ瞬間、多幸物質で苦しみが癒やされるようにしてくださったならば、その神のとてつもない懐の深さに思いが募り、畏敬の念を抱かざるを得ません。

一生懸命、まっとうに生きたら、神様はちゃんと報いてくださるのかもしれませんね。私は特定の宗教を信奉しているわけではありませんが。

在宅での看取りを可能にするための心強い味方たち

お一人様が自宅で最期を迎えるためには、どのような方法があるのか?「小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)」で紹介されていた方法を記載します。 

もちろん、介護保険サービスなど、本書に紹介されていない一般的な方法もありますが、この記事では省きます。

医療用麻薬や夜間セデーション

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)25頁

身体的疼痛については、病院やホスピスの方に軍配が上がると思っている人が多いのですが、それも違います。身体的疼痛はオピオイド(医療用麻薬)ができたことと、夜間セデーション(夜間は睡眠薬でぐっすり眠り、痛みを感じないようにすること)を実施することで、病院で受ける以上の緩和ケアが自宅でも期待できるようになりました。

痛みのコントロールは、しっかりとした在宅医や訪問看護を導入することで、在宅でも十分可能のようです。

余談ですが、夜間セデーションをしている最中に最期を迎える方は、小笠原先生が関わった方の中にはいらっしゃらないとのことでした。

夜間セデーションで、寝ている間に最期を迎える方もいそうなものですが不思議ですね。起きているときに、ご自身なりに、大切な人たちにお別れを告げたいという気持ちが働いているのかもしれませんね。

尿道留置カテーテルで、排泄介助の回数を減らす。

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)66頁

66 看取り期が1ヶ月以上に及ぶ場合は、30万円では難しくなります。その場合は、夜間セデーションや尿道留置カテーテルの導入を提案します。本人の意思で尿道留置カテーテルを選択した場合、巡回型ヘルパーは基本的に不要になるため、限度枠内での在宅看取りが可能になります。

頻尿気味の高齢者の場合、おむつの交換が課題になります。頻回にヘルパーを導入することも可能ですが、その場合、介護保険の限度額を超えてしまったり、負担が高額になってしまうこともあります。

尿道留置カテーテル(バルーンカテーテル)を導入すると、基本的に尿でおむつを汚すことはなくなるため、おむつ交換の頻度を減らすことができます。

世間の風を運んでくれるボランティア

もしも地域にボランティア団体があるのであれば、心強い味方になるかもしれません。

医療職にしろ介護職にしろ、どうしても仕事として関わっているので友人になることは難しいです。一方ボランティアは、仕事の枠とは外れた方々なんで、上下関係でも堅苦しい関係でもなく、友達になってくださる可能性があるからです。

良い在宅医をどうやって見つけるか?

小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?(上野・小笠原)101頁

口コミが確かだと思います。実際に利用した人たちの評判がいちばん頼りになります。地域にある2〜3ヶ所の訪問看護ステーションに赴き、依賴できる医療機関を教えてもらうのもよいでしょう。

私も同意です。良い医師の情報は、ネットよりも口コミが確かだと思います。市町村が行っている当事者会や家族会などイベントに参加したり、地域包括支援センターやケアマネに聞くなどして、情報を集めます。

様々な人から評価が高い医師で、かつ、住居に近いところの医師に頼むとよいでしょう。

離れて暮らす家族のために:前もって「もしものとき」どうするかを家族内で話し合う。

一人暮らしの高齢の親を持つ子どもさんも読者の中にはいらっしゃるでしょう。

本人が最期までご自宅を望んでも、いざ本人が病に倒れたという電話を受け取ったら、救急車を呼びたくなります。

しかし救急車を読んだら本人は様々な延命治療を施されます。「自宅で穏やかに最期を迎える」という本人の望みが達成されず、ご家族にとって悔いが残る場合もあります。

一方、回復の見込みがあり、救急車を呼んだほうが良い場合もあります。

何が正解かというのは、家族によって様々ですが、「前もって家族で話し合う」ことをおすすめします。どういう場合に救急車を呼び、どういう場合に呼ばないのか。

胃瘻は?葬式は?様々なことを前もって話し合うのです。エンディングノートや、もしばなカードを使うとより詳細に話し合うことができると思います。

また、信頼ができる在宅医やケアマネなどにも相談をすると良いと思います。

以上です!皆様が幸せな日々をすごせますように!

お読みいただきありがとうございました!




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