2025年1月20日、トランプ氏がアメリカの大統領に再任。

矢継ぎ早に様々な改革を打ち出していますが、そのうちの一つにアメリカの関税引き上げ政策があります。

いわゆる「トランプ関税」。

ある商品に対して、相手国が高い関税を課している場合、同じように高い関税をかけるという「相互関税」の導入を検討しているとのことです。

果たしてこの政策に対して、日本はどういう態度をとるべきか?私なりの考えを書きます。

そもそも、関税とは?

関税は輸入品に対して課せられる税金のことです。関税を支払うのは、輸入業者です。

例えば10年以上前、日本はコメに対して778%の関税を課していました。

10000円の価格のコメを外国から輸入するときは、輸入業者は77800円の関税を税務署に払う必要がありました。

10000円+77800円=87800円

この値段のコメを国内で売ろうとしても、もちろん売れません。

国内産のコメのほうが、関税がかからないので安く売ることができます。

外国産のコメよりも、国内産のコメがたくさん売れるので、コメ農家を助けることになります。

ここに関税の本質があります。

なぜ国は商品に対して関税をかけるのか?それは国内の業者を保護するためです。

外国産の商品に高い税金をかけることで、国内の商品を、そしてそれをつくる業者を守るための税金なのです。

池上彰の優しい経済学1(池上)287頁より引用

アメリカでは、大平原に米を飛行機で撒いて、それで田植えは終わりですから、日本の米とはコストが全然違います。

上記の引用のように、海外のコメはコストが低いうえに大量生産されています。関税をかけずに素直に輸入したら、日本のコメ農家の多くは倒産するでしょう。

コメ農家が日本からいなくなったら、有事のときに大変です。考えたくないですが、戦争などが発生し、海外から食料を輸入できない事態に陥った場合、日本は一気に危機に瀕します。

自分たちで食料をつくることができないので。

関税を低くしたほうが良い理由

アメリカが関税を上げる政策を掲げた理由は、国内の産業の保護が目的でしょう。

関税をあげれば、国内の業者は喜びます。海外の商品が国内に入ってこないので、自分たちの商品だけで市場を独占することができます。自分たちの商品を高く売ることができます。

では、日本はどうすべきでしょうか?

自分たちも関税を引き上げるべきでしょうか?それによって、海外産の商品を締め出し、国内産の商品や業者を守るべきでしょうか?

資本主義と自由(フリードマン)148頁より引用

関税は、課される国のみならず課す国にとっても有害なのである。

関税は、国内の業者を保護する「効用」がありますが、同時に商品の値段を不当に高くする「副作用」があります。

例えば、国内の野菜業者を守るために、国が1000%の関税を野菜にかけたとします。

そうしたら、市場から海外産の野菜を締め出すことができます。国内の野菜業者は市場を独占し、高い料金で野菜を売ることができます。

その結果、消費者は高い料金を支払わなければならなくなります。

しわ寄せは私たち国民の懐に向かうのです。

もしも1000%の関税を撤廃したらどうなるか?

そうしたら国内の野菜業者は海外の野菜と競争しなければならなくなります。

商品改良やコスト削減のために様々な努力をします。海外の商品と競争するなかで、商品を改善せざるを得なくなっていきます。

消費者にとっては、海外産の野菜、国産ブランドの野菜、新鮮な野菜など、様々な野菜から自分の好きな商品を選ぶ自由を持つことができます。

そう。関税を引き下げることはこの「自由」を生み出すことにつながるのです。

孤立でなく、自立した国の背中を世界に示す。

今後もしかしたら、関税を引き上げて自分の国の産業を保護しようとする国が出てくるかもしれません。

しかし、それは一部の業者を喜ばせるかもしれませんが、大多数の国民の懐を苦しめることになります。

もちろん、安全保障に関わるなど、どうしても守らなければいけない産業はあるでしょう。それらの産業は、関税をかけてでも守るべきでしょう。

ただし、それらはほんの一部です。大多数の産業の場合、関税を高くしないこと、可能であるならば引き下げることが、国民の懐を助けることにつながります。それに、日本の産業を強くすることにつながります。

要は、海外の商品に勝てばいいのです。

アメリカが関税を上げたから自分たちも上げるべきだ!と言うのではなく、

一部の業者の懐を温めるために関税の引き上げをするべきだ!と国に訴えるのではなく、

海外の商品なんかに負けるか!と自分たちの産業を強くしていけばよいのだと思います。