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【ストレスだけじゃない】親を呼び寄せる介護同居を勧めない理由

【運営者】吉永龍幸

ケアマネジャー(介護支援専門員)です。 地域包括支援センターという、高齢者福祉の相談所でも働いていました。 今まで数多くの高齢者やその家族とお会いした経験をもとに、このブログを運営しています。 このブログは、私一人で運営している個人ブログです。自由で自立していることが、個人ブログの良い点です。 お問い合わせは tenkakasei☆gmail.com(☆を@に変更してください)にメールをお願いします。 個別の介護や生活の相談などには応じられないのでご了承ください。

遠方で親が一人ぐらしをしている場合、様々な点で非常に心配だと思います。親を自分の家に呼び寄せて、同居をお考えの方もいらっしゃるでしょう。

あなた自身にとっても親にとっても今後の生活に大きく関わる重要な決断だと思うので、私の記事に限らず、多くの方の意見や記事を読まれて、そのうえで決断をされると良いと思います。

中には親との同居を勧める方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、親との同居を勧めていません。その理由を今回は書きます。

同居は、自殺を引き起こすほどのストレスをうみだす。

ケアの社会学 上野千鶴子著 115ページより引用

「同居」が即幸せ、という同居規範は揺らいできていると言うべきであろう。興味深いことに、高齢者の自殺率統計のうち、同居親族のいる高齢者と単身高齢者とを比べると、前者の方が自殺率が高い、ということもわかっている。

遠方に住んでいる高齢の親を呼び寄せて同居する場合、親は子どもであるあなたの家族の生活に適応する必要があります。

そして高齢の親にとって、子どもたちの生活になじまなければいけないということは、大きなストレスです。

また多くの場合、高齢の親は家族に貢献するメンバーとしてでなく、負担を強いるメンバーとして迎え入れられます。自分自身の肩身の狭さや居場所のなさを高齢の親は感じざるを得ません。

私が昔関わった方にも、子どもとの同居生活になじむことができず、喧嘩が絶えず、家出未遂をした方がいらっしゃいました。

ケアの社会学 上野千鶴子著 114ページより引用

高齢者の「幸福度調査」では、中途同居の高齢者の幸福度が、他の居住形態に比べて低いことが知られている。

同居している家族がいると使いにくい介護保険サービスがある。

例えば、高齢の80代の親の生活援助のために、介護保険のヘルパーが料理を毎週つくっているとします。

そして、ヘルパーがつくった料理を、同居している50代の息子が食べているとします。

親の状態や生活状況によりますが、このような場合、介護保険でのヘルパーサービスを使えない場合があります。

えっ!そうなんだ・・・

介護保険は多くの国民が負担して、高齢者を支えるために運営されています。50代の子どもの生活を良くするために自分たちのお金が使われているとなると、納得できない方もいらっしゃいます。なので同居家族がいる場合、ヘルパーを使うことが難しい場合があります。

料理を例にしましたが、掃除や他の家事の場合も同様です。同居家族がいる場合使えない場合があります。

ただし、介護保険のサービスが使えるかどうかは、ケースバイケースです。同居家族がいるからといって機械的に必ず使えない、というわけではありません。自分の親の場合サービスを使えるかどうか気になる方は担当のケアマネにご確認ください。

親の生活保護を申請するときに、指摘される可能性がある。

生活保護手帳 2023年度版 228ページより引用

同一の住居に居住し、生計を一にしている者は、原則として、同一世帯員として認定すること

もしかしたら今後、様々な事情で親の生活保護を申請するときが来るかもしれません。もしもそのとき親とあなたが同居している場合、役所の担当窓口で指摘される可能性があります。

生活保護は「世帯単位の原則」といって、生計を同じくしている世帯単位で生活保護が実施されます。

もしも親とあなたが生計を同じくしている場合、役所にそのことを指摘される可能性があります。

ただし、だからといって生活保護の申請ができないわけではありません。また、同居家族がいても世帯分離が認められる場合もあります。

また、この記事の趣旨から外れるので詳しくは書きませんが、子どもの親の生活に対する義務は生活扶助義務と言って、自分たちの生活を著しく犠牲にしてまで、親の生活を自分たちでなんとかしようとしなくてはならないものではありません。

生活保護も介護保険と同様、適用されるかどうかはその方の生活の実態によりケースバイケースです。自分の親の場合生活保護が適用されるかどうか気になる方は、役所の担当窓口にご相談ください。

家事を行うことは健康維持につながる。

日常の掃除や洗濯など日常の家事を行うことは高齢の親にとってはしんどいかもしれませんが、健康維持につながります。

同居して、親の代わりに子どもが親の家事をすべて行うと、親の生活能力や筋力・身体機能が落ちる可能性があります。慎重になったほうがよいでしょう。

ただし、例えば大量の食料や日常の生活用品の買い物など、親だけではどうしても難しい家事もあります。その場合、同居別居に関わらず、子どもが車で買い出しを手伝ったり、スーパーなどの宅配を活用したほうがよいと思います。

中野ジェームズ修一×運動嫌い 中野ジェームズ修一著 111ページより引用

階段を上るというのはすごくいいエクササイズで、消費カロリーや筋肉が増える効果はランニングとほぼ同じです。

話は少しそれますが、高齢の親にとって階段を上がる動作はとても良い運動になります。ただし、高齢者にとって階段は転倒しやすい危険な箇所でもあります。

同居するにしろ、別居を継続するにしろ、もしも親が日常的に家の階段を使っていて、また、手すりがないのであれば、手すりを設置することをおすすめします。

階段の手すりは介護保険の住宅改修で費用を抑えて工事で設置することができます。

たとえば親の介護保険が1割負担の場合、1万円の手すりをいれても1000円の自己負担で工事で設置することができます。転倒予防につながりますし、親の生活動線を安全にするうえでとても良いのでおすすめです。

親がお住まいの地域の地域包括支援センターにご相談ください。

包括支援センターへのご相談方法については、こちらの記事で少し触れているので良かったらご参照ください。専門的な話になりますが、住宅改修だけの場合、外部のケアマネを探す必要がないので(包括支援センターにとって負担が減るので)スムーズに対応してくれる場合があります。

別々に住んで、見守りを行うのも一つ。

親と別居すると、様々な点で不安があると思います。同居をしようと考えるあなたは、親のことを愛していらっしゃるのでしょう。

たとえ同居しないとしても、最近は様々な見守りツールが発明されています。

今回もお読みいただきありがとうございました。良かったらこの記事をご家族やご友人とシェアしていただき、これからのシルバーエイジを考える材料にしていただけると嬉しいです。

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