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ペット後見。高齢の親が最期までペットとともに生きるための選択肢

【運営者】吉永龍幸

ケアマネジャー(介護支援専門員)です。 地域包括支援センターという、高齢者福祉の相談所でも働いていました。 今まで数多くの高齢者やその家族とお会いした経験をもとに、このブログを運営しています。 このブログは、私一人で運営している個人ブログです。自由で自立していることが、個人ブログの良い点です。 お問い合わせは tenkakasei☆gmail.com(☆を@に変更してください)にメールをお願いします。 個別の介護や生活の相談などには応じられないのでご了承ください。

単身の高齢者が増えている現代。病気や入院、死亡のリスクがある高齢者がペットを飼うことは難しいです。

しかしながら最近、飼い主としての責任を持ちながら、単身や老々世帯の高齢者も最期までペットを飼うことができる制度ができつつあるようです。

「ペット後見」という選択肢です。

自分の死後も愛犬・愛猫を幸せにする方法 (奥田順之著)57頁

ペット後見とは、飼い主が入院や死亡によりペットを飼えなくなる事態に備え、飼育費用、飼育場所、支援者をあらかじめコーディネートしておくことで、飼えなくなった場合にも、最後まで飼育の責任を果たすための取り組みの総称です。

入院や死亡など、万が一のリスクがあったときのための準備を前もって整えることで、単身高齢者もペットとともに最期の日々を過ごすことができる制度。

もちろん、夢のような制度ではありません。お金がかかります。

それも含めて、今回はそんな「ペット後見制度」について記事を書きたいと思います。

今回の記事は「自分の死後も愛犬・愛猫を幸せにする方法」 (奥田順之著)を参考にして制作しました。

著者の奥田氏は「人と動物の共生センター」の理事長として、多くのメディアや講演会・学会で実績がある人物です。

高齢者が犬を飼うことのメリット:認知症リスク約40%減の事実。

自分の死後も愛犬・愛猫を幸せにする方法 (奥田順之著)17頁

65歳以上の日本在住の男女1万1194人を対象に、ペット飼育と認知症発症リスクの関連を調査した研究があります。その研究結果では、犬を飼っている高齢者は、飼っていない人に比べて認知症の発症リスクが約40%低下し、犬を飼っていて定期的な運動習慣がある人は、犬を飼っておらず運動習慣がない人に比べて認知症発症リスクが約50〜60%低下することが示されています。

ちなみに猫の飼育の有無と認知症リスクに関しては、差はみられなかったそうです。

高齢者が飼うべきは、猫ではなく、犬のほうが良さそうですね。

なぜ猫でなく犬が、認知症のリスク低減につながっているのか?本書には理由が書かれてありませんでしたので、ケアマネジャーをしている私の独断と偏見から意見を申しますと

🔵犬は散歩をしなければいけないので、運動習慣がつく。生活が活発になりやすい。

🔵犬を飼っている人同士のつながり(犬友)ができるので、人と会話する機会が毎日生まれる。近所に知り合いができる。

というのが、主な理由だと思います。私の独断と偏見ですが。

いずれにしろ、高齢の親にペットをお勧めするときは、犬を勧めるほうが良いようです。

ペット後見の具体的な内容。費用は?

ペット後見.jpより引用

ペット後見は、①飼育費を遺す契約、②飼育の受け皿(飼育する人と場所)の確保、③緊急時に対応できる見守り体制の構築の3つの要素から成り立っています。

入院や死亡などでペットを飼い続けることができなくなった場合、だれかにペットを託す必要があります。

その「だれか」を前もって確保し、飼い続けるための「費用」を遺す契約を取り交わすことがペット後見の内容に含まれます。

では、費用はいくらくらいなのでしょうか?本書で紹介されていたペット後見互助会とものわを参考にして記します。

自分の死後も愛犬・愛猫を幸せにする方法 (奥田順之著)59頁

ペット後見互助会とものわでは、飼育費用は10キロ以下の動物は一律100万円、10キロ以上の場合は、体重×10万円としています。

本書によると、犬の飼育費は、年間30万円ほどかかるという統計データがあるそうです。またペットが高齢であれば、医療費もかかります。

そう考えると、100万円という値段は、高いというわけにはいかないかもしれません。

「もしものとき」が発生したときの終生飼育費用100万円とは別に、本書で紹介されていたペット互助会とものわでは、入会金・手数料として10万円、月会費として1000円が必要となります。

もちろん、「もしものとき」が発生せず、飼いきれた場合は、100万円の終生飼育費は返金手続きがされるようです。詳細はとものわのサイトをご覧ください。(執筆時2026年3月1日時点)

入院に備える。合鍵やキーボックス

飼い主が急に入院すると、ペットは餌や水がない状態で取り残されます。

飼い主に意識がある場合、鍵を受け渡すことが可能ですが、意識不明の場合、そうはいきません。

そういった場合に備えて、見守りをしてくださる人に合鍵を預けたり、キーボックスの設置が必要になる場合もあります。

そういったことも、ペット後見の内容に含まれます。

ペット後見を使う前に、まずは親子で話し合ってみる。

自分の死後も愛犬・愛猫を幸せにする方法 (奥田順之著)66頁

私が相談を受けた中でも、家族や親族に相談したらすんなり解決したという事例が少なくありません。飼い主さん本人は、家族や親族に迷惑をかけたくないと思って当団体に連絡をしてくれます。

この記事を読んでくださっている方の多くは、高齢の親を持つミドル世代でしょう。もしかしたら親はペットを飼っているかもしれません。または飼おうとしているのかもしれません。

ここまでペット後見について話をしておいてなんですが、まずは親子で話し合うことをお勧めします。

親に万が一のことが起きた場合、子どもがペットを引き取るのが一番スムーズです。

ただ、住宅の事情であったり、動物アレルギーだったり、様々な事情で子どもがペットを引き取れない。そんなときのバックアップとして、ペット後見の存在を知っておく。必要があったら前もって相談をする、というのが良いのではないでしょうか?

ペットは親を孤独な老後から救ってくれる可能性があります。

そしてペット後見は、高齢の親がペットを飼うことへの不安を減らし、勇気づけてくれる制度です。

すでに親がペットを飼っているのであれば、親が責任を果たすことを手助けしてくれる制度です。

最期に、本書で紹介されていたペット後見.jpを紹介します。

ペット後見について相談をすることができる全国の相談支援事業所や飼育・見守り事業者が掲載されています。

良かったら御覧ください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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