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見えない落とし穴にハマらないために:道路陥没事故から考える対策

【運営者】吉永龍幸

ケアマネジャー(介護支援専門員)です。 地域包括支援センターという、高齢者福祉の相談所でも働いていました。 今まで数多くの高齢者やその家族とお会いした経験をもとに、このブログを運営しています。 このブログは、私一人で運営している個人ブログです。自由で自立していることが、個人ブログの良い点です。 お問い合わせは tenkakasei☆gmail.com(☆を@に変更してください)にメールをお願いします。 個別の介護や生活の相談などには応じられないのでご了承ください。

2025年1月28日、埼玉県八潮市の車道が急に陥没し、大穴が発生。当時トラックを運転していたドライバーが巻き込まれ、大穴の中に落ちてしまいました。

穴はその後、塞がるどころかむしろ拡大し、一ヶ月近くたった現在もトラックドライバーを救出できていません。

 

【埼玉県八潮市の道路陥没事故の概要】

https://www.nhk.or.jp/shutoken/saitama/articles/101/019/32

そんななか、今度は千葉県で道路が陥没しました。

八潮市での道路陥没から約2週間後の2月11日、千葉県大網白郷市で同じく道路が陥没。

地中の水道管を傷つけ、穴から激しく水が吹き出しました。

高さ10メートルにも及ぶ水柱が周囲の建物の窓ガラスを割ったとのことです。

【千葉県大網白郷市での事故概要】

https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20250211/1080025053.html

 

いったい日本のインフラになにが起きているのか?

日本のインフラは安全ではないのか?

今回の騒動で不安に思われている方もいらっしゃると思います。

今回の記事では、老朽化が進む日本のインフラの現状と対策について、私なりの意見を書きたいと思います。

日本のインフラ整備・老朽化の現状

老朽化が進むインフラ

朽ちるインフラ(根本)49頁より引用

建築後30年を経過した施設を老朽化施設と考えると、全国平均ですでに54%が老朽施設になっており、十分に老朽化は進んでいると言える。

朽ちるインフラ(根本)51頁より引用

厚生労働省が09年度末時点でまとめた結果によると、震度6強の大地震でも耐えられる水道管は、全体の30%にとどまっている。

日本のインフラは、第二次世界大戦後の復興から高度経済成長に向かう時期に、経済活動を支える形で整備が進みました。

人口の増加に伴い拡大してきたインフラ。しかし高度経済成長期が終わり、また、人口が減少し始めると、インフラを拡大するメリットはなくなります。

むしろ、膨大なインフラを持て余すようになります。

人口減少下のインフラ整備(宇都 他)231頁より引用

人口減少時代において、インフラ整備を現状のまま行っていくと1人あたりの負担額が増大することが予想される。たとえば、上水道料金では、2040年時点で1・3倍から2・7倍になる可能性が指摘されている。具体的には、今まで水道料金が月額5000円だった世帯では、水道料金が6500円から13500円になるということである。

経済成長をするうえで、インフラを整えることは欠かせません。ただし、拡大に拡大を重ね、かつ古くなったインフラを、少なくなった人口で維持管理、整備しようと思ったら、それなりのコストが必要になります。

例えば、日本の道路は総延長120万キロを超えています。なかにはほとんど使われていない道路もあるでしょう。

それらをすべて維持するのか。それとも選択と集中を進めるのか、議論が分かれるところだと思います。

老朽化したインフラの整備は後回しにされやすい。

朽ちるインフラ(根本)63頁より引用

選挙の際に新しい図書館や保育所を作るという公約は票を得やすい。だが、古い学校や庁舎を建て替えるというのは、危機感のない人にとっては当たり前のことをしているに過ぎず、票に結びつかない。

新しいものを創るときは、有権者の支持を得やすいですし、票につながりやすいです。

しかし、今あるものを維持するということは、有権者にとっては耳新しさがないですし、アピールポイントにはなりにくい。

さらに踏み込んで、「あまり使わない道路を減らします!さらに、一部の人しか使わないような地区センターや公民館、図書館もなくします!」と訴えたら落選する可能性が出てくるでしょう。

インフラを減らす作業は政治家にとって、落選のリスクにつながります。

なので後回しにされがちです。

んで、どうする?【対策を考えてみた】

インフラの老朽具合を見える化する。

日本各地の道路や水道管の保守点検状況や老朽化の状況を、一般市民が見ることができるように、インターネットで公表をするのはどうでしょうか?

例えば、30年以上前の水道管を使っている場合は赤色、30年〜10年前の水道管は黄色、10年以内の水道管は青色など、色分けをした「インフラマップ」を公表するのです。

自分が住むまちのインフラの状況を知ることで、健全な危機感が生じます。

極端な場合は引っ越しをする方もいらっしゃるでしょうし、そうでなくても、投票行動に結びつくと思います。

有権者の投票行動が変われば、政治家も変わる可能性があるでしょう。

朽ちるインフラ(根本)206頁より引用

上下水道は地面の下なので住民にはわかりにくいが、以前某自治体の水道管の経路図を見た際、その縦横無尽で複雑なルートに驚いたことがある。市街化の速度や、整備期間が異なったため、結果として重複投資が行われているという説明を受けたが、そうであれば、更新の際には効率的なネットワークに再整備ができるように間引く必要があるだろう

インフラの形をマップにして見える化することには、他のメリットもあります。

複雑になったインフラを一般市民が知ることで、整備するときに間引いたり、シンプルにすることについて同意を得やすくなるのです。

広域自治体でインフラ整備・老朽化対策の協力する。

小さい自治体の力ではインフラを整備することはできなくても、周囲の自治体と協力することで、インフラを整備することが可能になる場合があります。

「市町村合併」までいかないとしても、協力しあうことはできると思います。

新しいまちに進化することを訴える。

「使っていない道路や公民館を減らしましょう!」という標語は有権者の同意を得にくく、落選の可能性があります。

ただし、「自分たちのまちを進化させましょう!」という標語は投票につながりやすいです。

例えば、スマートシティにすることを訴えるなど、でしょうか。

まちを新しくする、進化させるなかで、古くなって使わなくなった道路や公民館を減らす。

それであれば政治家にとって、有権者の同意を得られやすいと思います。

AIを活用して、老朽化したインフラの整備コストを減らす。

AI・ドローン・ロボットを活用したインフラ点検・診断技術(矢吹)98頁より引用

目視判読に対する機械判読の差異は、9割を超えるデータで5%以下に収まっている。機械判読は、目視判読に近い性能を有し、その代用に堪えるものと考える。

インフラ整備の課題としてあがることの一つに、インフラ点検・整備の人員不足があげられます。

道路のひび割れや危険な兆候を、専門家が目視で行ってきた部分もあるようです。

現在まだ実証段階ですが、AIの画像診断技術を使えば、今まで人が行ってきた作業を減らすことが可能となるかもしれません。

そうすれば、インフラ整備のコストを減らすことができます。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

今、日本のインフラになにが起きているのか?

少しでも関心をもっていただけたら嬉しいです。よかったら今回の記事をSNSなどで共有していただいて、これからの都市をみんなで考える材料にしていただけると嬉しいです。

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