親の健康状態が悪くなったり、頼れる親族がいないと、親の介護をするために仕事を辞めるべきか悩む方もいらっしゃると思います。
しかし、介護離職はおすすめしません。
今回の記事では、なぜ介護離職を勧めないのかという理由と、介護離職をしないで仕事と介護の両立をするためのアイデアを書きます。
まず、これらのアイデアを試してみて、頑張ってみて、それでもどうしても仕事との両立が難しいなら、仕事を辞める。
それからでも遅くはないのではないでしょうか?
現在親を介護されている方や、介護離職を検討されている方にこの記事を捧げます。
このページの目次
介護離職をおすすめしない理由

上の図は、介護離職者のその後についての調査結果を厚生労働省が発表したものです。
精神面、肉体面、経済面すべてにおいて、離職者の負担が強くなっていることがわかります。
離職して、介護につきっきりになった場合、生活の中心が親の介護になります。
外の世界との交流は少なくなりますし、閉塞感や孤立感を抱え込みやすくなってしまいます。
介護のために転職した正社員が新職場でも正社員として働けたのは、男性が3人に1人、女性が5人に1人。転職前後の年収を比べると、男性は557万円から342万円と4割減り、女性は350万円から175万円と半減していた。
介護離職した人もいずれ働かなければなりません。
残念ながらその際、条件が悪くなることが一般的です。それはすなわち、将来受け取る年金額の低下を意味します。
優しい貴方は、それでも親のために仕事を辞めて介護したいとおっしゃるかもしれません。
しかし、当の親本人はどう思うでしょうか?自分の子どもが、自分の介護のために肉体的にも精神的にも経済的にも苦しむことを望んでいるでしょうか?
自分の子どもが貧困状態になることを知って喜ぶ親はいるのでしょうか?
親孝行を考えるのであれば、むしろ仕事を辞めないで介護をする道を探るのも一つだと思います。
餅は餅屋!介護離職しないための解決策を、まずは専門家に相談を!
地域包括支援センターに相談を行う。
地域包括支援センターとは、生活圏域ごとに設置されている、高齢者福祉や介護についての総合相談所です。
ご存知の方も多いと思いますので、この記事では詳述しません。「地域包括支援センターとは」というキーワードで調べれば、たくさんの記事が出てくると思います。
介護離職をしないために絶対に必要なことは、抱え込まないことです。
専門家や地域の方から情報や協力を得ることです。
介護をケアするためのサービスや制度はたくさんあり、また、地域にもボランティア団体などの資源がある場合もあります。
そしてそれらの情報は、地域包括支援センターに集まるようになっています。
親の介護について相談があるのであれば、まず、相談をしてみましょう。
ただし、地域包括支援センターは多忙を極めています。
この記事を含め、様々な媒体で「まずは地域包括支援センターに相談をしましょう」と書かれていますし、役所の窓口の人も「地域包括支援センターに相談にいってください」と言いますし、高齢者は増える一方ですし、「要支援」という介護保険の認定の人を一手に引き受けてケアマネジメント業務をしなければならないですし、地域の方々向けに様々な事業を行わなければならないですし、といって人員は全然増やしてもらえません。
私の知り合いは、家に仕事を持ち帰って、夜中の3時まで仕事をしていました。
もしも相談に行くときは、そのことを理解して、手短に相談をしてあげてください。
長電話は嫌われます。
ケアマネジャーに相談をする
もしもすでに担当のケアマネジャーがいるのであれば、地域包括支援センターでなくケアマネジャーにまず相談をするべきでしょう。
ケアマネジャーとは、実際に介護の相談にのって、介護保険のサービスなどを調整してくれる相談員のことです。
もしも介護離職をすることを考えているのであれば、仕事を辞めるまえにまずケアマネジャーに相談をしてください。
もしもそこで「ぜひ仕事を辞めてください!そのほうが私の負担が減るし、介護保険のサービスを使わないので保険財政的にも助かります。国民みんなが喜びます!(あなたは収入がなくなるし、将来受け取る年金額も減るので苦しむことになるでしょうが、それは私の知るところではありません!)」と言うケアマネがいたら、「むしろあなた(ケアマネ)が私の担当を辞めてください」と言って差し支えないでしょう。
というのは、冗談です。こんなことを言うケアマネはいないでしょう。(おそらく)
ただ、ケアマネを変更することは可能です。相談をしてみたけれど、いまいちだな、と感じたら、そのケアマネ事業所の管理者か地域包括支援センターにご相談ください。
誠実さや知識を備えているケアマネであれば、仕事を辞めないでなんとかする方法を一緒になって考えてくださると思います。
介護離職しないためのサービスや制度
ショートステイを活用する。
介護負担を減らす目的で、ショートステイを利用することは一般的に行われています。
ショートステイとは、特別養護老人ホームなど、介護を必要とする高齢者が入所している施設に一定期間お泊りするサービスです。
親がショートステイを利用している間、家族は親の介護から解放されます。
また、ショートステイには、「施設に慣れる」という目的もあります。
将来自分の親がお世話になるかもしれない施設がどういった施設なのか、本人や家族が知るうえでも良いサービスだと思います。
例えば、介護者がインフルエンザにかかるとします。自身は出勤もできず、高熱で苦しむことに。しかし、すぐ傍に親がいる・・・・・・となれば、ゆっくり療養もできません。普段から定期的にショートステイを利用していれば、介護者の急病などの際に、緊急用枠で利用できるケースもあるでしょう。しかし、全く利用していないと、受け入れてもらうことが難しい場合もあります。
ショートステイといえば家族における介護が一時的に困難となったときなどに利用するものと考えがちですが、ケアマネジャーと相談し、月に1週間など定期的な利用ができないか検討しましょう。単発利用よりも予約が取りやすいケースもあります。
普段から親がショートステイを利用していたら、施設のほうも親を理解してくれます。
どういうふうに親をケアすればよいのかを理解しているので、いざというときに受け入れてくださる場合があります。
繰り返しますが、介護は抱え込むべきではないです。
介護離職を検討している貴方は、優しさや責任感をお持ちなのでしょう。ただし、介護を抱え込むと、親にとっても子にとっても良くない結末に至る可能性があります。
介護殺人や心中など、ニュースなどで目にされた方もいらっしゃると思います。
そうなる前に、ショートステイなどを利用してケアの負担を減らすことも一つだと思います。
介護休業制度を利用する。
介護休業制度とは、最大3回まで、通算で93日まで会社を休むことができる国の制度です。
保険手続きを行うことで、給料の67%相当の支給金が、休んでいる間も保障されています。
【厚生労働省の介護休業制度についてのサイト】
たとえば親が入所する施設を探すために、まとまった日数の休みが必要だという場合などに活用すると良いと思います。
介護帰省割引や見守りツールを使う。
親と離れて暮らしているケースでは、親元に通うための交通費も課題となります。日本航空、全日本空輸、スターフライヤーなどでは「介護帰省割引」といった運賃(名称は各社で異なる)を設定しています。利用制限期間はなく、予約変更もできます。
親が遠方に住んでいる場合、交通費も軽視できません。交通機関によっては、介護割引制度を設けている会社もあります。(名称は各社によって違います)
また、離れて暮らす親のケアに関しては、見守りカメラやタブレットを活用した見守りや通話によるコミュニケーションも有効です。
訪問販売対策としては、スマートドアベルを使うことも一つでしょう。
仕事を辞めて同居をすることがすべてではありません。離れて暮らしながらもケアを行う方法を探るのも一つだと思います。担当ケアマネにご相談ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。この記事が良いと感じたなら、良かったらSNSなどで共有をしていただけると嬉しいです。