未婚者が昔に比べて圧倒的に増えている現代。
多くの現代人が恋愛を面倒と考える一方「結婚はしたい」と答える矛盾。
果たして現代の恋愛と結婚の現在になにが起きているのか?
結婚を望みながらも結婚することができない現代人たちが、それでも家族を築くにはどうすればよいのか?
記事を書きたいと思います。
今回の記事は立教大学大学院客員教授の牛窪恵氏が書いた「恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚」と、中央大学教授の山田昌弘氏の「結婚不要社会」から多くを引用して作成します。
なぜ現代人は恋愛をしないのか?
そもそも、「結婚生活」は無理ゲー

というか、無理では?
愛情が一生続くかどうかなんて、だれも保証できません。また、長い人生、会社が倒産したり仕事がなくなったり転職したり、いろいろあるでしょう。経済的な保証もできません。
結婚=生涯契約 と考えるのも無理があるのではないでしょうか?
離婚率が低かった昔ならいざ知らず、3、4組に1組離婚していると言われる現代において、結婚=生涯契約 と考えることには無理があります。考えをアップデートする必要があります。
もし結婚=生涯契約 と考えるのであれば、結婚を重く考えざるを得ませんし慎重にならざるを得ませんが、「離婚も有り得る」と考えるのであれば、結婚に対するハードルを低くすることができます。

韓国の若者の過半数は、「婚前契約書は必要だ」と考えているそうです。つまり、結婚前から離婚後の準備をしている。
もちろん最初から離婚するつもりはないのでしょうが、離婚する可能性が十分にあることを認識しているわけです。今後日本もそうなる可能性が十分にあります。
逆説的ですが、「離婚に備える」ことで「結婚しやすくなる」のではないでしょうか?
両親の結婚生活に憧れない

今の20代~30代の親世代は、夫が外で働き、妻が専業主婦として家事を行うというモデルが成り立っていました。
企業戦士としてバリバリ働く父親の背中にも、専業主婦として夫を支える妻の姿にも憧れていない現代人の本音がここにあります。
というか、もはや「専業主婦」を成立させるのは難しいでしょう。夫も妻も共働きが現代では一般的です。
経済的にそんな余裕はないので。
経済低迷が恋愛に落とす暗い影

未婚率の上昇を考えるときに、経済の低迷を抜きにして考えることはできないでしょう。
以前の結婚モデル(夫が外で働き、妻が専業主婦として家を守る)では、夫が大黒柱として、一家を養うことが前提とされていました。
現代の男性は昔の男性に比べて高収入を上げることが難しいです。
「自分の父親や自分よりも収入が低い男性と結婚する」ことを現代の女性たちは受け入れなければならないのですが、それは難しい。
結果「いい男がいない」と言いながら結婚を先延ばしにしてしまいます。
デジタルで簡単に小腹を満たすことができる現代社会

インターネットの普及によって、だれでも簡単にアダルトサイトにアクセスすることが可能になりました。
リアルな人間を相手に頑張って性行為を行わなくても、デジタルで気軽に自慰行為で性欲を解消することができる。
しかもデジタルの画面に映っている相手はリアルでは相手にしてもらえないような美女とイケメン。
しかも「2次元は裏切らない」。
ハラスメントと隣合わせの恋愛

1991年放送のドラマ「101回目のプロポーズ」。浅野温子に何度も何度も告白し、挙句の果てに走行中のダンプカーに突撃して「僕は死にましぇーん」と叫んだ武田鉄矢の姿に当時の国民は感動し、涙を流しました。
しかし現代ではアウトでしょう。
「デートの誘い、2回誘って断られたら諦める」と答える若者が40%の現代において、101回告白の末ダンプカーに突っ込む男性はストーカー扱いされ、警察沙汰になります。
若者が草食系になったのではありません。
ハラスメントに対する意識が強くなったのです。
恋愛はしないけれど、結婚を希望する現代人たち
家族を持たない人に不利な社会

恋愛を避ける現代人の多くが、それでも結婚を望む。
「家族」という安心感が欲しいのだと思います。国も会社も守ってくれない現代において、最後の最後、自分を守ってくれるつながりが欲しい。
また、山田氏の著書には「世間体」も無視できないと書かれていました。
世間体を気にする日本社会では、独身者でいることは様々な風当たりにさらされる、とのことです。
恋愛レボリューション:現代人の恋愛の特徴

時代の変化とともに、恋愛をしない若者が増えていることを書きました。しかしそれでも、恋愛をする若者はいる。しかも恋愛の仕方が独特の進化を遂げている。牛窪氏はこの恋愛の変化を「恋愛レボリューション」と名付けました。
若者の恋愛はどういう進化をとげて、現代社会に適応しているのか?書きたいと思います。
身内では恋愛をしない。

人間関係のトラブルに発展し、コミュニティの中で居場所や立場がなくなることを避けたいのでしょう。
マッチングアプリが発展した現代では、コミュニティの外の人とも気軽に接触することが可能です。
また、ハラスメント意識が強くなった現代社会では、会社という上下関係や利害関係のあるコミュニティの中での恋愛もしにくくなりました。
男のメス化。女のオス化。

女性の社会進出が進み、男女平等が進んでいる現代。また、男性の所得が落ち、女性の所得が上がりつつある現代において、男女の関係に変化が出てきています。
昔ながらの「男らしさ」「女らしさ」に憧れる若者たち

セックスフレンド(セフレ)や添い寝フレンド(ソフレ)という現象を、牛窪氏は「本命と別腹」で説明しています。
男らしく稼いで、家族を養う。
女らしく可愛らしく恭しくして、優雅な専業主婦になる。
男女平等が進んでいる現代においても、「男らしさ」「女らしさ」の概念から抜け出すことができないし、また、相手にも「男らしさ」「女らしさ」を求めてしまう。
その結果、本命の恋人の前では「男らしい男」「女らしい女」を演じるものの、本音でいられるセフレやソフレ(別腹)の前では自然体なセックスや添い寝を行う。

本来であれば本命の恋人の前で、素直な自分で自然体で接したいものの、そうはできない矛盾を現代人は抱えてしまっている。
結局のところ「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から離れて、新しいパートナーシップの形に進むしかないのではないでしょうか?
もっと踏み込んで言えば、昔ながらの「男らしさ」「女らしさ」から現代人は自由になることができるのかもしれませんね。
昔ながらの「男らしさ」「女らしさ」を回顧するのではなく、新しくて自分たちらしいパートナーシップに進むべきなのかもしれませんね。
では、どうすればよいか?結婚困難時代の家族の築き方を考える。
恋愛と結婚は別物と認識する。

恋愛と結婚では求められるものが変化します。
恋愛では「男らしい男」「女らしい女」が求められますが、結婚生活では夫の女子力、妻の男子力が必要とされます。共働きが一般的な現代であればなおさらです。
長い歴史を観ても、政略結婚や側室制度など恋愛と結婚は分けて考えられてきた時代はありました。
もちろん「良いパートナーと巡り合って、恋をして、結婚して幸せになる」という従来の結婚ルートを否定するものではありません。
ただ、無理に恋に落ちる必要はない。
恋愛が得意ではないからといって、結婚生活では良い夫(父)、良い妻(母)になることは十分あります。恋を経ないでお見合いで結婚しても良い。
自由な結婚スタイルに進化する。

また、従来の結婚生活にこだわる必要はない。
法的な籍を置かない事実婚でもいいですし、同性婚でもいい。女性のほうが収入が高い逆転婚でもいいし、10歳以上離れた年の差婚でもいい。
パートナーシップの形は本来、もっと自由です。
精子バンクや卵子バンクという可能性

2026年現在、日本では合法化されていませんが、将来の可能性として、精子バンク・卵子バンクの話もしましょう。
優秀で魅力的な男性・女性の精子や卵子を購入し、子どもを創る。
技術的には可能であり、また実際、そういった子どもたちも生まれてきています。
「夫(妻)はいらないけれど子どもは欲しい」という人が一定数いる現代において、十分増える可能性があります。
精子バンクや卵子バンクという技術も含めて、家族の築き方は自由な時代に突入しつつあるといえるでしょう。
